将棋の藤井聡太王座(竜王、名人、王位、棋聖、棋王、王将、22)への挑戦者を決める第73期王座戦挑戦者決定戦が7月3日に行われ、伊藤匠叡王(22)が羽生善治九段(54)に114手で勝利し、自身初となる王座挑戦権を獲得した。注目の開幕戦は、9月4日にシンガポール・セントーサ島の「アマラ・サンクチュアリ・セントーサ」で予定されている。
現役タイトルホルダーの伊藤叡王がタイトル獲得数歴代最多の99期、永世七冠保持者の“レジェンド”・羽生九段を撃破し、藤井王座への挑戦権を獲得した。
注目の決勝戦は、振り駒で羽生九段の先手番に決定。戦型は角換わり腰掛け銀となった。序盤は定跡形とあり、両者の手は止まることなく爆速で進行。80手すぎまでノンストップで進み、午前中の時点で終盤戦に突入する状況となった。
盤上の緊張感は極限状態が続いたが、午後からは両者が長考に沈み一手一手が重い展開に。均衡状態が続いた中、銀使いの名手でもある羽生九段が敵陣深くに銀を打ち込み、一時は流れを引き寄せることに成功した。しかし、伊藤叡王は冷静さを失わない。羽生九段の桂捨てから訪れた勝機をしっかりと捉えて逆転。一気にリードを拡大し、鮮やかに勝利を飾った。
王座初挑戦を決めた伊藤叡王のコメント




