■世界は自動運転のさらに先へ…

自動運転バス事業
拡大する

 海外では、自動車そのものをなくす試みも行われている。ドイツ・ハンブルク市は2030年を目指し、365日5分以内に公共機関にアクセスできる移動環境の構築を進める。自動車利用率を20%に縮小(現在30%)し、市内に自動運転バス1万台を導入する構想だ。

 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は、「移動したいだけなら、バスでなくていい。無人タクシーが家の前まで来てくれて、目的地まで乗せてくれれば、同じ路線上しか走らないバスよりも、快適で便利だ。そうした“未来の方向”ではなく、『現状のシステムでできることを頑張っている』という姿勢は、技術をマイナスに導いていてもったいない」と嘆く。

 楠田氏は「人間による運転を前提とした法律や縦割り行政でなく、自動運転を想定した法律や、横断的な考えで新たなものを作らないといけない」と提言し、「日本だけでなく、ヨーロッパも協調しながら法整備しているため、同じような問題に直面しているのではないか」と推測する。

 夏野氏はハンブルク市の例を見て、「日本では自動車産業が反対するため“自動車利用率を20%に縮小”が言えない」と指摘する。「軽自動車は、普通自動車に比べ安全性を犠牲にして安くした。数十年前に作られた制度で、正直言って今は必要ない。『軽自動車を廃止する代わりに、自動運転バスを入れる』と言えば説得力があるが、そんなこと政府は絶対に言えない。自動車産業によって、なかなか新規参入しない構図があるのではないか」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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