法に触れる可能性は?

誤情報 法的責任は?
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 事業者が販売サイトに「アレルギーが出にくい」という文言を掲載した場合、法的にはどのような点が問題になるのか。弁護士の佐藤みのり氏は次のように述べる。

「食品衛生法の20条に違反する可能性がある。食品衛生法20条は、食品に関して公衆衛生に危害を及ぼす恐れがある虚偽の、または誇大な表示、広告を禁じている。『アレルギーが出ない』とまでは言っていなくても、『出にくい』としていれば、内容によっては誤解も生じさせ、規定に触れてくる可能性はある」(佐藤みのり氏、以下同)

 患者やその家族は、アレルギーに対する知識もあるため、情報の真偽を見極められるかもしれない。

 しかし、注意が必要なのは、それ以外のアレルギーに詳しくない第三者がこうした情報を信じて他人に勧めるケースだ。

 番組の取材では、祖母が孫のアレルギーを知りながらも、「平飼いの卵はアレルギーが出ない」と信じて食べさせようとした事例もあった。

 ちなみに、「アレルギーが出にくい卵」などとウェブで検索をすると、広島大学などが研究中の卵に関する情報が多く出てくるが、これは今回番組で取り上げた「アレルギーが出にくいと謳った卵」などとは別物だ。

 広島大学などで研究中の卵は、ゲノム編集によってアレルゲンの一つであるオボムコイドをなくしたもので、一般販売はされていない。

(『ABEMAヒルズ』より)

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