一般の旅行客にも、厳しい目が向けられているのではないか。「中国の国家機密は、非常に範囲が広く曖昧だ。気づかぬうちに国家機密に触れる可能性がある。中国を旅行していて、いろいろな場所を撮影していると、一部に軍事施設が映り込んでいるというのがよくあるパターンだ」。
短期訪中のビザが緩和され、日本からの訪中客が昨年比約2倍以上とも言われるなか、反スパイ法違反のリスクを防ぐにはどうすればいいのか。
高口氏は「何が国家機密なのか明確にしてほしいと、外国のさまざまな団体が中国に要望する中で、一部の分野では『ガイドライン』が作られている。一般の人に対する“おまじない”程度だが、中国側が取り締まりを強めたいなど、反日ムードが盛り上がって日本に厳しくしようとテンションが上がるようなタイミングは、避けようと考えた方がいいかもしれない」とアドバイスする。
中国に渡航する人たちに向けた「安全の手引き」
