今回改めて、アステラス製薬社員に下された判決について、鈴木さんに受け止めを聞いた。「私は経験者で、普通の人とは感覚が違うと思うが、3年6カ月の判決が出たのは不当であることは変わりない。けれども実際経験した私としては、なんと軽いんだという感じがした」。
確かに今年5月、中国・上海で、反スパイ法違反で拘束されていた50代の日本人男性に、懲役12年の実刑判決が下された。なぜ同じ「スパイ罪」でも、量刑がここまで違うのか。そもそもなぜ有罪になったのか、詳細は全く明かされていない。
高口氏は「中国自身は1949年の中華人民共和国建国以来、ずっと秘密主義。国家機密のあり方を守り続けてきた。彼ら自身は、これをあまり問題だと考えていない。国際社会とのズレは、今後も相当長期にわたって続く」と推測する。
また、「我々からするとドキッとするのは、『中国の国民には外国人のスパイを見つけたら通報する義務がある』と反スパイ法で定められている。実際そのための制度は整っていて、電話でスパイの情報を受け付け、アプリやウェブでも通報受付のサービスがある。実際有力な情報を提供すると、日本円で最高200万円くらいの報酬ももらえる状況だ」と話す。
一般の旅行客は大丈夫なのか
