内申点のために“積極的な態度”を偽装?
【映像】内申点を上げるための塾などでの指導例
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 学校で“積極的な自分”を演じる原因となっていた「主体的な態度」の成績評価に、見直しの動きが出てきた。

【映像】内申点を上げるための塾などでの指導例

「授業で何度も発言して内申点を稼いじゃおう」「分からなかったり間違っていたりしても、たくさん手を挙げるのは大事」(SNSの声)

 塾などでは「学校での態度」を指導するケースが見られる。目的は、いわゆる内申点アップだ。その例を見てみると「先生やクラスメイトの話は頷きながら聞く」「よそ見せず、つまらなそうな態度を取らない」「先生に提出するノートは丁寧な字でまとめる」など、積極性や意欲を目に見える形で表現する必要性を感じさせる。

「一生懸命発表する、休み時間に先生に質問をする。実際、高校受験を目指す生徒にとってはどうしても大事になってくるので、そこで良い評価をもらいたくてアピール合戦になってしまう」(奈良県で小学校の校長を務めた芦屋大学 臨床教育学部 毛利康人准教授、以下同)

 アピール合戦が起こるそもそもの原因。それは、学校での成績評価の観点の一つである「主体的に学習に取り組む態度(主体的な態度)」にある。

 学校の成績は、そのほかの「知識・技能」「思考・判断・表現」という2つの観点と合わせて評価され、それを基に数値で示される「評定」が決まる。

 つまり、「主体的な態度」はいわゆる内申点に影響するため、特に高校入試を控えた中学生などは「内申点を上げるために、積極的な態度を見せなければならない」と考えるようになってしまうという。

 特に奈良県では2026年度の公立高校入試から、1・2年生の時の「主体的な態度」の3段階の評価がそのまま得点として反映されることになり、「主体的な態度」の評価をいかに上げるかが入試のカギとなっている。

そもそも「主体的に取り組む態度」とは?
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