そもそも「主体的に取り組む態度」とは?
しかし、そもそも「主体的に取り組む態度」とは何なのか。文科省の資料によると、それは「粘り強く取り組む姿勢」や「学習を自ら調整する力」で、「挙手の回数やノートの取り方などの形式的な活動で評価したりするのではなく、意思的な側面を捉えて評価すること」と、方向性を示している。
つまり、「わかっているフリをしてたくさん手を挙げる」などの必死なアピールは、努力の方向が違うということなのだが、そうとは言い切れない事情もある。実際の現場では「形式的な活動」も重視されているからだ。
「普段(児童・生徒が)どのように主体的に学習に取り組んでいるのか先生が見ていくと、日々の授業のメモをしっかり取ったり、記録を取ったりする必要がある。特に課題の提出を評価する場合、生徒が一人一人課題を提出してきたら、先生はそれに一言ずつコメント入れチェックを入れて返さないといけないので、一人一人にかかる時間が増えてくる。評価したらそれだけの説明責任も伴ってくる。そういうことが先生にはプレッシャーになり負担になる。若い先生は目の前の授業だけで精一杯で悪戦苦闘しているとなると、難しい部分もあると思う」
評価を受ける側にとっても、評価する側にとっても悩みが尽きなかった「主体的な態度」という成績の評価基準。
それが今、見直されようとしている。7月4日の文科省の委員会では、この「主体的な態度」にあたる部分について評定の対象から外す、つまり内申に影響しない形の案が示された。
「主体性」が評定に繋がることの問題点とは
