「日本は“踏み台”で本命は…」投資80兆円の“認識”で日米にズレ?

投資80兆円 “認識”にズレ
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 トランプ関税で合意したものの、日米の間では、日本が行う最大で約80兆円の対米投資について、“認識”のズレが浮き彫りになっている。

 トランプ大統領は「投資の利益の90%をアメリカが受け取る」などと発信。一方の日本側は、「出資の割合に応じて利益が配分される」と説明、その為、もし利益が「9:1」なら、出資も「アメリカが9」・「日本が1」になるとしている。

 なぜ日米で、こうした“認識”のズレが起きているのか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーターで、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏は、アメリカにとって、日本との交渉はあくまでも“前哨戦”である為とみている。

「まずアメリカ国内のトランプ共和党支持層に、いい顔がしたい。そして、アメリカの本命はどう見ても、まだ関税交渉が終わってない中国。中国との交渉材料として、日本やヨーロッパとはディールが決まったよ、お前らももっと飲めっていうことをやりたい。なので日本とヨーロッパは、はっきり言うとその為の“踏み台”みたいなもの。どこか落としどころを見つけて、次の本命の中国にガンって行きたい」

 日米の関税合意の“現在地”について、入山氏は次のように分析する。

「恐らく細かいところはちゃんと決まっておらず、解釈や見解の違いが出てきているので、今は細かいところは、あまり気にしなくていい。むしろ、ここから日本側がきちんと交渉していく、今後、日本側に不利にならないように、徹底的に交渉して戦っていく必要はあるだろう」

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