■女性らの「悪質性」は?

警視庁によると、女性たちは、ホストクラブで遊ぶために売春行為を行っていた、私服警察官の取り締まりを避けるために外国人を狙っていた、「連絡網」という名前のチャットで警察官の情報を共有・対策していたという趣旨の発言や、女性の1人は総額1億1000万円を売り上げていたこと、女性たちに関する金銭トラブルなどの110番通報も多数あったとしている。
よだ氏は「これらを見た人は『じゃあしょうがない』と思うかもしれない。しかし、なぜホストクラブにハマるようになったのかという背景。外国人を狙うというのも、一人ひとりの判断でそんなことが可能なのか。背後に状況を提供している、搾取している人たちの存在も疑われる。一つひとつの背景を考えて意見交換をしていくと、違う風景が見えてくると思う」と述べつつ、包括的性教育の必要性を訴える。
藤原氏は、1億1000万円という売上額は「元締めの存在」を意識させるとし、「全額がその女性の懐に収まったと考えるほうが不自然。行為の悪質性は金額の額面だけではとても判断しきれない」との見方を示した。
では、なぜ“買う側”は罪に問われないのか。藤原氏によれば、1956年制定の売春防止法では「行為そのもの」は処罰の対象外で、「勧誘」「斡旋」「強要」「助長」する行為を処罰・禁止の対象に。「買春」に関して罰則規定はなく、そもそも「風紀の乱れ」の防止が目的のため、「密室での行為は風紀の乱れとは関係ない、という解釈に基づいている。5月の法務委員会で『男性側も罰するべきだ』と主張したが、法務省は『実態に即した検討が必要』という答弁に終始していた」とした。
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