両者、はっきりと優勢とまではいかない混戦模様のまま終盤に突入したが、ここで先手から▲4一飛という手が出たタイミングで、一気に形勢は後手に大きく触れ、難解ながらも先手玉に詰みが生じる事態になった。持ち時間も少ない中、西田六段は無理に詰ますことなく優勢を維持して勝利を収めた。
スコア3-1とチームのリードも広がり、リーダーの菅井八段もにっこりと思われたが、控室では思わぬコメントが飛び出した。「なんかやっぱり勝ってもさ、井上門下が負けるとさ、ちょっと一瞬負けたような気分になるよね」。この対戦は稲葉陽八段(36)、菅井八段、上野五段、藤本渚六段(20)と4人も井上門下が参加し、各チームに2人ずつ分かれて戦っていただけに、菅井八段にとっては敵チームにいながらも弟弟子が敗れる瞬間を見るのは、胸中も複雑なようだ。
菅井八段のコメントにはファンも即座に反応し「複雑」「優しいじゃんw」「菅井いい奴だな」といったものが見られていた。
◆ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)


