CNNによるとこの夏、地球の自転の速度が速くなり、1日の時間がわずかに短くなったことが、科学者や時間の管理を行う人たちからの注目を集めている。
1日の長さは、地球が自転軸を中心に1回転するのにかかる時間で、24時間、つまり8万6400秒。
米海軍天文台などのデータによると、7月10日は1日の長さが24時間より1.36ミリ秒短くなっていて、8月5日には24時間より1.25ミリ秒、歴史的に短い1日になると予想されている。
このまま1日の長さは短くなっていくのか、その影響はあるのかなど、天文学者で太陽系天文学の研究を行う国立天文台天文情報センター副センター長・天文保持室長の布施哲治氏に聞いた。
「地球は23.4度傾いた状態で自転している。この自転が1日24時間。地球が生まれたときの46億年前からずっと回っている。昔は非常に速く回っていて、今はだんだん遅くなっていると言われている。10億年前は(1日)18時間ぐらいだった。これは化石のデータなどから言われている」(布施氏、以下同)
なぜ1日は長くなってきたのか。
「地球の回転を“駒”と考えるとわかりやすい。駒は勢いよく回っていたのが徐々に遅くなって、最後は止まる。ずっと回り続ける駒はない。机の摩擦、それから回るときの空気抵抗、これが要素としてあって止まっていく。地球の場合、月、そして海水、その影響で地球の自転は徐々に遅くなる。これを潮汐摩擦といって、月が地球の海水を引力で引っ張るが、地球は無理やり自転をしようとする。そうすると、海底で海水との摩擦が起こって徐々にゆっくりになっている」
地球の自転スピードが変化する要因
