そして第8局では、この試合のメインカードとも言える永瀬九段VS増田八段戦が実現。過去5回の大会のすべてでチーム永瀬の主力だった増田八段だったが、今期はドラフトのくじ引きで“鉄の絆”が崩壊。元メンバー対決とあり、その星のゆくえに大きな注目を集めることとなった。角換わりの出だしから永瀬九段が主導権を握ったかと思われたが、最後は増田八段が盛り返して勝利。元リーダーに対して“恩返し”を決めた増田八段が3戦全勝の活躍で決着を付けた。
本戦進出が決まった佐藤九段は、「ホッとした」と晴れやかな表情。予選ではなかなか個人成績が振るわなかっただけに、「自分の調子が上がるまで2人が星を作ってくれた」とチームメイトに感謝していた。「増田さんの貢献も凄すぎますが、総力戦でこうして勝ち抜けたのが嬉しい」とコメント。「広瀬さんはダブルリーダーという感じで重みを分かち合ってくれて、増田さんはまさに“ヘッドハンティング”してきた通りの活躍をしてくれる。チームがエネルギーに満ちている感じなので、またこのチームで戦えるのが楽しみ。頑張りたい」と意気込みを語った。
本戦は藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋聖、棋王、王将、23)率いるチーム藤井、豊島将之九段(35)がリーダーを務めるチーム豊島、菅井竜也八段(33)のチーム菅井、そしてチーム天彦の4チームで優勝を争う。今年の最速・最強のチームはどこか。熱き戦いのゆくえからますます目が離せない。
◆ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)


