■40代で未経験の業種に転職した当事者

ケンタさん
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 40代で未経験の業種に転職したケンタさん。新卒から広告会社の営業で10年以上働いていたが、「40歳になったとき、1周回った感じがした」といい、「チャレンジするなら、このタイミングじゃないと動きにくくなる。漠然と環境を変えたいのがスタートだった」と明かす。

 転職後に直面した一番の悩みについて、「カルチャーが全然違うところだ。前職の広告会社は割とガヤガヤしたカルチャーだったが、とても静かなオフィスだった。求人情報では出ない話だが、黙々と仕事して、全然雑談をしない。すごく異空間に来たような感じがして、居辛さをすごく感じた」。

 実務については、「広告代理店から、メーカーの宣伝なので、広告という軸では活かせる内容だが、結局会社や業界が違えば、活用の仕方が変わってくる。ルールやカルチャーが違うと、『放置されてもできる』という世界ではないとすごく感じた」という。

 周りからは、「40歳を超えての転職だったので、教えなくても勝手に自立を求められ、スペシャリストとして自分たちをサポートしてくれるというスタンスだった。手厚く教えてくれる先輩がいるわけではなかった」と振り返る。

 しかし後悔については、「今はしてない。転職しなかったら、一生後悔してた」と話す。「最初は『なんでテキトーに決めてしまったんだ』と後悔したが、40代前半で短期離職すると次が難しい。また家族、子供もいて、父親としてすぐ辞めるわけにはいかない。しんどいながらも1年以上経ったとき、この会社でしか得られないような人間関係やスキル、経験ができたと後々になって思った。未だにカルチャーギャップは感じているが、自分のキャリアとしては、少し箔がついたのではないかと思っている」。

■転職前に「副業をするのが1番いい」
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