豪快な寄せによる突然の決着に、レジェンドも思わず頭を抱えた。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」予選Bリーグ2位決定戦、チーム天彦 対 チーム永瀬が8月9日に放送された。第7局は、チーム天彦のリーダー・佐藤天彦九段(37)とチーム永瀬・羽生善治九段(54)が対戦。行き詰まる接戦のまま終盤に突入したが、佐藤九段の迫力ある攻めにより均衡が一気に崩れ、急転直下で終局を迎えることになった。
第6局を終えてスコアは3-3。勝った方がチームの勝利に王手をかける大一番となった第7局は、先手の佐藤九段、後手の羽生九段ともに居飛車かつ矢倉を選ぶ「相矢倉」の出だしになった。お互いしっかりと囲い合う前に戦いが始まり、バランスを取るのが難しい将棋になったが、名人経験者の佐藤九段、タイトル99期のスーパーレジェンド・羽生九段はどちらも譲らず、ABEMAの「SHOGI AI」も両者の勝率をほぼ五分と示す時間が長く続いた。
じわりと差がつき始めたのは60手を過ぎたあたりから。佐藤九段が自玉の安全度を維持しながら、じわじわと前に駒を迫り出していくのに対し、羽生九段は分厚い攻めをどうしのぐかが勝敗の分かれ目となった。この時、両者の持ち時間は佐藤九段が約20秒、羽生九段は約10秒。解説を務めた佐々木慎七段(45)も「こうなると大変ですね。フィッシャールールの厳しさです」と、短時間の中で正解を選び続ける難しさをつぶやいていた。
終盤に急転直下の展開が
