◼︎「しょうがなくやっている」専業主婦歴7年のみえさん(37)

みえさん
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 みえさんは、2018年、娘に病気があり専業主婦を選択した。専業主婦を7年続けているが、「働きたいと常々思っている。繋がりが欲しいし、社会に認められたい気持ちもずっと持っている」と話す。

 専業主婦に対してのネガティブな声については、「最初はすごい悲しい気持ちで傷ついていたが、それぞれの環境があって、当事者にしかわからない辛さがあるので、今はあまり気にしないようにしている。専業主婦とワーママ、どちらの大変さも絶対あるので、それを良いか悪いかって決められるのは嫌だと思う」。

 しかし叶うならば、「外に出て、人と関わるような仕事がしたい」といい、「色々調べて、どんな働き方ができるのか。いつからできるのか。そういうことを考えながら、いつも過ごしている」と明かした。

◼︎専業主婦が当たり前の社会が問題?

岡田玖美子氏
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 1980年では、専業主婦世帯が1114万、共働き世帯が614万だったが、2024年には、専業主婦世帯が508万、共働き世帯が1300万となっている。この背景に、奈良女子大学講師で家族社会学を専門としている岡田玖美子氏は、「女性の高学歴化、雇用機会均等法などジェンダー平等が進んだ」ことを挙げ、「90年代はバブル崩壊やリストラ・非正規雇用が進み、夫の収入だけで妻子を養うのが難しく女性が働かざるを得ない」状況になったと考えている。

 また、岡田氏は「専業主婦が当たり前の社会」を問題視し、「今の日本の社会は、1950年代の高度経済成長期から、基本的には専業主婦の妻が家事、育児を全部やり、夫が会社に捧げるような働き方をしてきた。そうした中で、女性も社会進出するようになるが、今まで専業主婦がやってくれていた家事や育児、介護を誰がやるのか。それは誰でもできると思われてる部分でもあるが、本当はすごく大変だし、それがないと人は生きていけない。だから、そうした部分の仕組みから社会を変えて、みんなが分担しながら、必要に応じて柔軟な働き方、生活の仕方ができるようになっていくべきだと思っている」と訴えた。

  今後、どんな社会になってほしいか。みえさんは、「専業主婦でも幸せ、働いてても幸せって言えるような世の中になってほしい。母親として、子供にそういう背中を見せたい」と願う。あすかさんは、「やっぱり選択できる社会だ。専業主婦になろうと、外で働こうと、どちらでも気持ちよく楽しく暮らせるような、選べる社会になったら1番嬉しい」と答えた。

(『ABEMA Prime』より)

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