将棋の伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦七番勝負第4局が8月19・20日の両日に福岡県宗像市の「宗像ユリックス」で指され、藤井聡太王位(竜王、名人、王座、棋聖、棋王、王将、23)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に130手で敗れた。この結果、シリーズ成績は藤井王位の3勝1敗に。注目の第5局は、8月26・27日に徳島市の「渭水苑」で指される。
挑戦者の渾身の作戦に、若き王者が苦しめられた。藤井王位の3勝で迎えた第4局は、宗像市が舞台に。何としてでもシリーズ継続を狙う永瀬九段にとっては、勝負所を迎えていた。本局は、藤井王位の先手で角換わりの出だしに。両者にとって得意戦法だが、永瀬九段はこの一局に序盤で銀を上がるとっておきの新手をぶつけた。
対局1日目の午前中には対局室内に外部の音声が流れるトラブルが発生。原因究明と対策のために昼食休憩を繰り上げる措置が取られ、再発防止のために音響設備だけでなく館内全体のスピーカー電源を切って対応が行われた。
ハプニング発生時には藤井王位の手番だったため、中断時間を考慮時間として与える形となってしまった永瀬九段。しかし、急所まで準備が行き届いていたか、藤井王位との持ち時間に大きな差を付けて2日目の戦いへと突入した。藤井王位は強気に攻め込んでいったが、永瀬九段の陣形は堅く、冷静な対応で主導権を握ることに成功。藤井王位にもやや誤算があったか、ABEMAの「SHOGI AI」は徐々に挑戦者側へ傾いていった。
終盤戦に突入後も、永瀬九段は冷静に対応。巡ってきたチャンスを離さず、じりじりとリードを拡大させていった。苦しい時間が続くこととなった藤井王位は懸命に後手玉へ迫っていったが、永瀬九段は受けに回って冷静に対応。圧倒的な終盤力を持つ藤井王位でも永瀬九段の寄せの組み立てに阻まれる展開となり、最後は静かに頭を下げて投了を告げた。
藤井王位、永瀬九段の終局後コメント




