コロナ禍では「オンライン人力車」を考案し、現役“引き手”による演歌アイドルユニットをプロデュースするなど、やり手の経営者だ。「観光業の人力車が世の中に必要かと言われれば、必要ではない。なくても別に誰にも影響ない。経験を価値に変える。僕らは商品が人なので『人』を育てる」(西尾社長)。
“真剣勝負”を制する者には、報酬を惜しまないのが西尾社長の経営哲学だ。給料は時給1300〜4000円で、売上目標達成で賞金や歩合が発生する。そのため、22歳でも月収127万円を稼ぐこともある。人気の引き手の原田優一郎さんは「『マンホールを踏まない』『でこぼこしたところを踏まないように、ちょっと膨らんでいく』など、ちょっとしたこだわりが、お客様の安心安全につながる」と心構えを語る。それだけでなく、韓国語、中国語、英語など5カ国語を流ちょうに操る。
合格率約10%の卒検に合格して、初めてお客さんを乗せることができる
