「地方自治は民主主義の学校である」との名言を残したのは、19世紀のフランスの政治思想家、アレクシ・ド・トクヴィルだった。半径数百メートルの身近な問題を住民の代表者が話し合い、住民はそれを監視する。問題解決のプロセスを通じて、自由や責任を学ぶことが、やがて国家レベルの民主主義の基盤になるとの考えに基づき、民主主義を体験し学ぶ自治体こそ“学校”だと称した。
自治体の主人公は住民だが、その担い手は首長(市区町村長)と議員だ。それぞれが住民から選ばれる「二元代表制」が採用され、ともに住民の代表者として対等な関係で緊張を保つことが理想とされている。市長は主に予算案や条例案を提案。市議会で市議たちが、それを検討し、承認したり否決したりするが、理想通りとはあまりいかないようだ。
市のトップである市長は知られているが、市議についてはどうか。長野県松本市で市民に話を聞くと、「姿が見えないとは率直に感じている」「そんなに深く気にしたことは(ない)。いろいろ頑張ってくれているのだと思うが」「知らない。(名前も)わからない」などという答えが返ってきた。
地方議員の報酬に関してユニークな方法を取った自治体
