企業側の“モチベ”とは
自身も体験格差を解消するプロジェクトに参画しているという中室氏は、以下のように考えを述べる。
「経済学の研究分野で使われる生活時間調査という統計を見ると、『勉強に対する時間投資』と『体験に対する時間投資』があり、体験への時間投資は子どもの学力向上や非認知能力を培う上で大切であることがわかってきた。子どもにとって体験は遊びではなく学びなので、ちゃんと社会で応援していくことが大事」(中室牧子氏、以下同)
では企業側のモチベーションはどこにあるのだろうか。社会的意義や社会貢献の重視に加え、企業にとっての“効果”や“メリット”とは…「こども冒険バンク」に体験を無料で提供する11の企業は、以下の5点を挙げた。
1.企業・業種の認知度アップ
2.地域への貢献&価値向上
3.社員のエンゲージメント向上
4.新たな企画・商品開発
5.プラットフォームと協力する “相乗効果”
「3.社員のエンゲージメント向上」について中室氏は「心理学で、『内的モチベーション』という、自分の仕事に対する意欲が上がるかどうかを調べた研究がある。内的なモチベーションが上がる時は、社会への貢献をしていることを実感できた時だという。自分の仕事を通じて、特に子どもを通じて、社会や次世代に貢献しているということは、内的なモチベーションを高める上で重要なことではないだろうか」と述べた。
今後の課題は?
