終局後、藤井王位は「早い段階でミスが出てしまい、その後は苦しい展開を長い間強いられたが、最後の最後に好転したのかなと思う。シリーズ後半に内容も含めてなかなかうまくいかないところが多かった。本局も含めて一局一局を振り返って次に活かしていきたい」とコメントした。
この結果で、大熱戦のシリーズは藤井王位が4勝2敗で制し、防衛6連覇を達成。タイトル獲得数を31期に伸ばし、歴代4位の渡辺九段の記録に並んでみせた。これに、藤井王位は「この王位戦も大変なシリーズでしたし、そのことは全く意識はしていなかったが、ひとつ数字を積み上げて渡辺九段と並ぶことができたことは光栄に思う」と思いを語った。
大勝負を終えた藤井王位だが、現在は防衛戦の王座戦五番勝負にも臨んでいる。“真夏の七番勝負”として親しまれている王位戦を制し、季節は実りの秋へ。次なる舞台ではどのような新しい将棋の未来を見せてくれるのか。期待はどこまでも高まるばかりだ。
◆藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002年7月19日、愛知県瀬戸市出身。中学2年生時の2016年10月に史上最年少で四段昇段、史上5人目の中学生棋士となる。2020年度の第91期棋聖戦でタイトル初挑戦、17歳11カ月で最年少タイトルホルダーとなった。以降獲得と防衛を重ねて、竜王4期、名人3期、王位6期、叡王3期、王座2期、棋王3期、王将4期、棋聖6期の通算31期。棋戦優勝は11回。2023年10月には第71期王座戦五番勝負を制し、前人未踏の「八冠独占」を達成。2024年度には永世王位・永世棋聖の資格も獲得した。通算成績は417勝86敗、勝率は.829。趣味は鉄道、チェス。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




