9月20日午後1時ごろ、現地を訪れると、駅前は数え切れないほどの訪日観光客で混み、中国語が多く聞こえた。中国からの観光客たちは「子どもの頃からスラムダンクを見ている」「中国のSNSですごくはやっているから、海沿いを歩いて撮りまくり、TikTokにアップしようと思っている」、スラムダンクのユニホームを着たチリからの観光客は「桜木花道がここに立って、好きな女の子を見ていたから、同じ写真を撮りたい」とコメントする。バスケットボールのユニフォームや、女子高校生の制服のコスプレを楽しむ観光客もいた。

 なかにはツアー客と思われる、旗を持って案内する人物とともに、数十人で踏切に向かって歩く集団も。また、民家へと続く階段に座って、たむろする人々も。歩道に三脚を立てて占拠し、撮影しようとする観光客も見られた。

 「関係者以外立入禁止」の張り紙があり、英語や中国語、韓国語の注意書きも添えられている寺の私有地でも、撮影しようとする人がいる。踏切内に立ち止まり、遮断機に触れながら撮影するケースもある。寺の敷地内で撮影していた中国からの観光客に話を聞くと、「(私有地だとは)知らなかった。ごめんなさい」と語る。

混乱が起きているのは踏切だけではない
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