「においは私たちを他者や自然とつないでくれる」

セシリア・ベンビブレ・ハコボ教授
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 研究者によると、においには“ある力”があるという。

 「嗅覚遺産」の研究者 セシリア・ベンビブレ・ハコボ教授は「多くの人は世界を体験するとき五感を全て使っている。日常で感じる数百ものにおいは私たちの感情・気分・行動に影響を与えている」と話す。2年前にヨーロッパの8つの博物館で500人を対象に調査を行ったことを振り返り、「博物館でにおいを嗅ぐことで、目で見るよりも歴史を理解しやすく過去の人々の生活とより深くつながることがわかった。においは私たちを他者や自然、そして自分たちの歴史とつないでくれる。だからにおいは重要なのだ」と解説した。

においは直接感情に直結すると考えられている

嗅覚の仕組み
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 実際にSSグレートブリテン号を訪れた今村記者は「博物館ではなく、本当に自分が19世紀の船の中にいるような感覚になってきた」と話す。これには嗅覚の仕組みが影響しているという。

 実は、目や耳からの情報は脳の中心にある『視床』を通ってフィルター処理して送られるが、鼻から入る情報は、脳の一部になっている『嗅球』という器官に直接送られる。そのため、においは直接感情に直結すると考えられている。

パリの下水道博物館を取材
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