“ドラマチックSUGO”と称されるほど、モータースポーツの歴史において、劇的ドラマを生み出し続けてきたスポーツランドSUGO(宮城県)で行われたスーパーGT第6戦決勝も、その名に違わぬ結末となった。
この日のレースは、TGR TEAM SARD(#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)がトップを快走し、その後ろをKONDO RACING(#24 リアライズコーポレーション ADVAN Z)が繰り返し追い立てる形となった。すると、48周目に赤旗中断が入り、残り30分のタイムレースで再開。さらに3度のFCY導入により、後半は実質14分半のスプリント勝負へと変貌した。ガレージでは第1スティントを担当した松田次生が両手を合わせ、祈るように見守る。背後にはAstemo REAL RACING(#17 CIVIC TYPE R-GT)やARTA(#16 MUGEN CIVIC TYPE R-GT)も迫り、さらに幅が狭いコースの中で、GT300との混走も重なる大混戦に。
そして迎えたファイナルラップ。普段はクールな近藤真彦監督が、この時ばかりは「行け!行け!行け!」と立ち上がり声を張り上げた。強い西日が差し込む中、リアライズZはバックストレートで急接近。馬の背コーナーでアウトから仕掛けると、実況のサッシャ氏も「アウトサイドからレイトブレーキング!」と絶叫。膨らんだDENSO車と接触しながらもサイドバイサイドに持ち込み、SPインコーナーでインから渾身のオーバーテイクに成功した。
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