将棋の第38期竜王戦七番勝負第1局が10月3・4の両日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で指され、藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋聖、棋王、王将、23)が佐々木勇気八段(31)に75手で勝利した。藤井竜王は防衛5連覇で「永世竜王」獲得がかかるシリーズだが、偉業達成へ向けて好発進を遂げた。注目の第2局は10月16・17日に福井県あわら市の「あわら温泉 美松」で行われる。
藤井竜王の「永世称号」獲得か、佐々木八段の「初タイトル」か。大注目の中で争われているシリーズ開幕戦は、藤井竜王が快勝を飾った。振り駒で藤井竜王の先手となった本局は、佐々木八段が誘導し予想外の横歩取りの出だしに。早い段階から定跡を離れ、力戦の将棋へと展開していった。
藤井竜王は序盤の岐路で、飛車を引く穏やか路線を選択。過去のタイトル戦でも指されたことはあるものの、藤井竜王、佐々木八段にとっては実戦例はないもので、両者の描く構想に大きな注目が集まっていた。研究家としても知られている佐々木八段だったが、やや予想外の展開となったか悩まし気な表情を見せる場面も。長考合戦が繰り広げられたが、藤井竜王は着実にポイントを積み重ねてリードを重ねていった。
劣勢となった佐々木八段は勝負手を重ねて攻め合いを目指したが、藤井竜王は相手の持ち味を出させない立ち回りを見せて相手を圧倒。最後まで緩みのない盤石の指し回しで快勝を飾った。
藤井竜王、佐々木八段の終局後のコメント




