勝利した藤井竜王は、「序盤から非常に手の広い将棋で、どういう構想で行くか難しい局面が続いた。中盤戦は駒得を楽しみに受ける展開となったが、判断が難しかった。桂馬を跳ねたあたりで指しやすくなったのかなと思う。構想力が問われる将棋になったが、一手一手じっくり考えて指すことができた」と一局を総括。「良いスタートを切ることができた。第2局は後手番になるので、よりしっかり準備をしていきたい」と次戦を見据えていた。
一方、敗れた佐々木八段は、「藤井竜王にはいろいろな戦型を試しているが、横歩取りを指したことがなかったのでぶつけてみようと思っていた。横歩取りを指しなれておらず、珍しい形となったがそれに対応できなかった。藤井竜王に飛車の細かい動きでリードを奪われてしまい、そのまま押し切られてしまった。一局を通して藤井竜王の強さが分かったので、2局目に向けて挽回しないといけない」と話した。
この結果、シリーズ成績は藤井竜王の1勝0敗に。防衛5連覇と史上3人目、最年少での「永世竜王」獲得に向けて好スタートを切った。しかし、ダブルタイトル戦に臨む藤井竜王は、並行して行われている王座戦五番勝負では1勝2敗でカド番に立たされている。同学年の伊藤匠叡王(22)との第4局は中2日の10月7日に迫っており、息つく間もなく次戦に照準を合わせる必要がある。
ハードスケジュールの中で、藤井竜王はどのような「おもしろい将棋」を描くのか。その戦いぶりから目が離せない。竜王戦第2局は、10月16・17日に福井県あわら市の「あわら温泉 美松」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)





