将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋聖、棋王、王将、23)が、10月3・4の両日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で行われた第38期竜王戦七番勝負第1局で挑戦者の佐々木勇気八段(31)に勝利した。意表の横歩取りとなったものの、圧巻の対応力を見せつけ快勝。解説を務めた竜王経験者の森内俊之九段からも「藤井竜王の快勝譜と言っていいのでは」と絶賛した。
2期連続の同カードとなった今期の竜王戦。このシリーズでは、藤井竜王が5連覇で付与される“永世竜王”の称号獲得にも挑んでおり、初タイトルを狙う佐々木八段との再戦に大きな注目が集まっていた。
開幕局で後手番となった佐々木八段が用意した作戦は、意表の横歩取り。自身にとっても公式戦で7年ぶりの採用となったが、「藤井竜王にはいろいろな戦型を試しているが、横歩取りを指したことがなかったのでぶつけてみようと思っていた」。藤井竜王は「戦型はどれもあり得るのかなと考えていた」とし、可能性のひとつだったようだ。
「藤井竜王を称えるしかない内容だった。快勝譜と言っていいと思う」




