■シャインマスカットの輸出進まず?
シャインマスカットの輸出は進まないのか。山梨県庁は「国内市場が縮小見込みの中、海外展開を最優先課題としながらも、輸出市場は一向に拡大していない」と話す。ブドウの輸出先(大半がシャインマスカット)は、1位が台湾27.9億円(53.9%)、2位が香港19.9億円(38.6%)で、以下シンガポール2.2億円(4.2%)、タイ0.7億円(1.4%)、マレーシア0.4億円(0.8%)と続き、その他は0.6億円(1.2%)だ。
農作物の海外流出や権利に詳しい弁理士の城田晴栄氏によると、「輸出にはさまざまな壁がある。植物には検疫があるが、国によって厳しさは異なり、台湾や香港はゆるめだ。法制度と親日かどうか、果物の贈答文化があるかなどが理由だろう。加えて関税や、輸送しやすい近さであるかも要因になっている」という。
ライセンス制度については、「輸出とは異なり、他国に『作っていいよ』とライセンスを与えて、その国で作る。物理的にできるようになり、ハードルは下がっていくだろう」と推測する。
■農水省への取材では、報道と異なる回答が?
