もし“政治とカネ”の問題が大きな引き金だとすれば、少なくとも2年前の岸田文雄総裁時代に表面化していたはずだ。青山氏は「高市氏が総裁でなければ、こうはなってはいない。高市氏が総裁になって真っ先に向かったのは、公明党ではなく、国民・玉木雄一郎代表のところ。しかも創価学会と距離を置く麻生太郎副総裁の影響力が色濃い執行部で、非主流派をパージしてしまい、創価学会とパイプを持つ議員もいない。連立を組む公明党の感情を逆撫でする動きだ。高市氏が慌ててパイプを持つ菅義偉元総理に頼みに行ったが、時すでに遅しだった」と説明する。
麻生氏は2023年9月、岸田内閣で敵基地攻撃能力に反対した公明党幹部を名指しして、「一番動かなかったガンだった」と発言。公明党・創価学会とは距離を置く立場だ。
その麻生氏がキングメーカーとなって作られたのが高市執行部であることから、青山氏は「創価学会員の中でも『自分たちに配慮してくれる林芳正氏、小泉進次郎氏ならまだついていけたが、なぜ政策で相いれない高市総裁になってまで、ついていかなきゃいけないんだ』という意見は根強くあった」と解説する。
「ある意味、慣れっこになっていて、『そうは言ってもどうせ付いてくるだろう』という雰囲気が大きかった。自公連立は、単なる政策の連立ではなく、選挙協力、“選挙互助会”の性質が強かった。公明党にとっても国交大臣という、建設・運輸業界すべてを牛耳る大きな利権環境の大臣を、ずっと預かるいい面を見てきた部分もある。これを手放すことは、なかなかないだろうと見られていた」(青山氏)
高市総裁の誕生で不満が一気に噴出
