ただ、かねてより「政治とカネの問題があり、公明党議員や創価学会員は『旦那(自民党)が起こしたマネースキャンダルを奥さんが謝って回る状況』が許せないという不満がたまっていた」という。「それでも与党にいる良さがあるため続けてきたが、参院選でついに比例が520万票まで減った。十数年前まで800万票あったため、“党存亡の危機”と総括した。その状況下で自民党の総裁が、政策的にもっとも距離がある高市氏になり、不満が一気に噴出した」

 さらに「高市氏が公明党を蔑ろにする動きがあった。『真っ先に国民民主に会った』の言葉を補うと、最初に公明党へあいさつに行き、そこで斉藤代表は懸念を示していた。それを放置した状態で、連立拡大に向け、高市氏は玉木氏に、麻生氏は榛葉賀津也幹事長に会いに行ってしまった。加えて、8月に秘書が起訴されたばかりで、“裏金問題の象徴”になっている萩生田光一氏を重要ポストに就けたことで、『(公明党の懸念解消を)やる気がないのでは』とボタンの掛け違いが起きた。これまで底流に流れていた『自民党と付き合っていくのはやってられない』と特に創価学会女性部の反発が強く、一気に押し流された」と説明する。

 「高市氏でなくても離脱していた」という斉藤代表の話について、青山氏は「そんなことないと思う」と否定する。「斉藤代表はテレビ番組で『連立復帰はどんな時か』と聞かれ、『次の総裁選の後だ』と答えた。つまり『高市氏が総裁でなくなれば』と言っているのと同じだ。斉藤代表は本音を言うのだなと思った」。

なぜ麻生太郎氏は公明党と距離を置くのか
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