【WRC 世界ラリー選手権】第12戦 セントラル・ヨーロピアン・ラリー
日本時間19日までドイツ・チェコ・オーストリアの公道を舞台で4日間に渡り開催された今大会、初日のSS1(スペシャルステージ1)で、ジュニアWRCランキング4位のエーモン・ケリーがいきなり大クラッシュ。大会期間の中でも鮮烈なインパクトを残す一幕となった。
ケリーはフォード・フィエスタR3で参戦していたが、SS1の最終コーナーで車両のリアがグリップを失い、コントロールを喪失。スピードを保ったまま土手に衝突し、その衝撃で車体は一回転して停止した。事故直後、現地スタッフが素早く車両に駆け寄り、現地実況からは「Oh no」と悲鳴があがった。現場は緊張感に包まれ、この一部始終はWRC公式Xでも「(彼らが)望んだスタートじゃない」と取り上げられ、20日時点で1.2万回超の再生回数となっている。
幸いにも、クルーは自力でマシンから脱出。その後、歩いている様子も見られ、車両のモノコック損傷でリタイアとなったが、大事には至らなかった。
この出来事は、公道を高速で走行するWRCの過酷な現実を改めて浮き彫りにした。しかし同時に、激しいクラッシュのあとでもドライバーが自力で脱出できた事実は、車両の高度な安全性も示した。安全と危険が紙一重で共存するラリーの“凄み”と“リアル”が、強烈な印象を残した一幕であった。(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)
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