■一本足打法で開花
そんな中で、山形がたどり着いたのが大きく足を上げる「一本足打法」だ。ハイレベルなカテゴリーに入るほど、なかなか見ないほど豪快な“一本足”。山形は「ティーバッティングとかをする中で、一番強く振れるスイングが何かを探していた時、足を上げて振ったのがタイミングも取りやすくて一番強く打てた打ち方でした。自分は足を上げた時のバランスがよくて、下半身がしっかりしているし、うまく粘れるのかなと思います」と語る。コーチからも「あれだけ片足を上げて待っていられる。それが独特だし、彼の良さでもある。パワーを生み出している源でもある」と評価されている。足を上げることで、投手からタイミングをずらされやすいというデメリットもあるため、すり足の打法を勧める人もいたが、山形はブレずに貫いた。
さらに去年の秋から今年の春にかけて、長打力アップを目指して研究を重ね、体重も78キロから83キロと5キロ増やした。「どちらかというと、ホームランよりは低い打球で(野手の)間を抜くバッターで、本当に体も細かったです。どうすれば打球が上がるのか。角度を上げて長打を打つには、体重が必要だと分かったので食事の量を増やしたら、ホームランも打てるようになったので、そこが本当に自分の分岐点だったと思います」。肉体改造の効果は、春季リーグの打撃3冠という最高の形で表れた。
三冠王に加え、自身初となるベストナインも受賞すると、7月には侍ジャパン大学日本代表にも選出。同世代の一流の選手たちと寝食を共にし、その実力を間近で感じたことは山形にも大きな刺激となった。「本当にレベルの高い選手たちばかりで、一緒に話していて楽しかったですし刺激をもらいました。自分もこういう選手たちと一緒に挑戦したいという気持ちが一番強かったですね」。
この秋も自身の誕生日となった19日の慶応大との試合で逆転の2本塁打を含む3安打2打点と大暴れ。ラストシーズンの秋季リーグ戦でここまで4割近くの打率を残している。社会人野球の強豪チームへの就職が内定しているものの、プロも志した。「両親には、高校に入学する時からわがままをたくさん聞いてもらいました。自分は野球でわがままを通してきたので、野球で恩返しできればいいなと思っています」。
(ABEMA/ニュース解説)

