■「女性が政治参画するハードルはいまだにある」

ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介氏
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 ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介氏は、寺田議員の発信に触れて「感慨深いものがある」と述べた上で「寺田氏は、実はこれまでの首班指名選挙でずっと国民民主党の伊藤孝恵氏に入れていた。今回もまた伊藤氏に入れるのかと思いきや、高市氏に投票した」とコメント。

 今回高市氏に投票したことについて「(寺田氏は)野党系無所属の議員なので、自民党の総裁に入れていいのか葛藤があったと思うが、それでも女性リーダーが必要だと考えたのだろう」と推察した。

「寺田氏の《正直に申し上げれば、以前まで私は高市さんのことがとても苦手でした。でも、今は『失敗してほしくない』と願う自分がおります》というコメントに、非常に胸打たれた。ここで失敗、短期失脚みたいなことになってしまったら、『それ見たことか』『女性だからでしょ』という人が出てきかねない。だからこそ寺田氏は悩みつつも高市氏に票を投じたのでは。『女性の総理を選びたい』という寺田氏の気持ちはすごく尊いものだと思う」(神庭氏)

「リベラル派、左派のなかには『素直に喜べない』『高市さんが女性初なんて』みたいな言い方をする人もいるが、どうかと思う。高市氏が女性初の自民党総裁に選出された時に、立憲民主党の辻本清美氏は『自民党では初の女性総裁、高市さん、ガラスの天井をひとつ破りましたね。 対極の私からも、祝意をお伝えします』とSNSで発信した。素直な喜びと辻本氏の度量を感じさせる、いいメッセージだった。そして高市氏が総理に選出された後には、辻本氏は『ここから先は男も女もない。何をするかが問われます』と注文をつけた。これこそリベラルとして然るべき姿勢だ」(神庭氏)

 さらに、「高市氏自身は決して、女性ということを殊更に強調してきたわけではない。女性だからではなく、能力があるから総理に選ばれただけだ。とはいえ、女性総理が0か1かの違いは非常に大きく、後に続く女性たちへの強いメッセージになることは間違いない。日本中の子どもや女性が高市さんの姿を見て、『政治の世界に挑戦してみよう』『もしかしたら私も将来総理大臣を目指せるかもしれない。だって前例があるんだから』と思えるのは、すごく大きいことだ」と語った。

「一方で、女性が政治参画するハードルはいまだに高い。選挙に出ようと思ったら、票ハラと言ってハラスメントに遭う。昼夜を問わない激務で、特に子育て中の女性はワークライフバランスの両立が難しい。今後、高市氏に憧れてたくさんの女性が政治の世界に足を踏み入れようと考えるだろう。その時に『ワーク全振りじゃないと政治家になれません』だとしんどい。すべての人が障壁なく政治の世界を目指せる世の中を、実現していってほしいなと思う」(神庭氏)

(『ABEMAヒルズ』より)

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