日本はアメリカ・ユーロ圏に比べて労働時間減少も…

日本はアメリカ・ユーロ圏に比べて労働時間減少も…
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 2019年、日本では働き方改革関連法が施行され、残業時間が年間で720時間以内、1カ月で100時間未満に制限された。こうした背景もあり、今ではアメリカやユーロ圏に比べて労働時間が少なくなっている。

 一方で賃金は2007年と比較して、日本だけが落ち込んでいるという状況になっている。

「賃金が海外に比べて上がってないところからすると、労働時間の規制緩和であったり、労働市場をもっと流動性を高めて労働分配率が下がりにくくするようにするとか、交易条件を改善させるために、安全な原発の再稼働を行ってエネルギーの自給率を上げるとか。そういった政策をやっていかないと、ヨーロッパのように実質賃金が上がらない」

「ただ一方で緩和をしすぎると、例えば建設現場の方々やドライバーの方々は労働時間を長くすることで、命の危険にさらされるようなリスクもあるから、職種によってもかなり状況は変わってくる」

 高市総理の指示を受けた上野厚生労働大臣は、誰もが働きやすい労働環境を実現していく必要性や、上限規制は過労死認定ラインであるということも踏まえて検討する必要があるとしている。

「日本経済の最大の課題は、いかに供給力を国内で増やすか。これは海外でも一緒で、アメリカでは先般決まったトランプ減税の中に残業代の所得控除という、より労働時間を増やす減税策も打ち出している。世界の流れとしてはそういう方向にあるのかなと。逆に言うと、アメリカの残業代の所得控除に比べたら、日本の労働時間を増やすというのは、まだ非常にマイルドな対応」

「労働時間の減少には3つの理由が」経済学者が指摘
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