■ABSとは

坂井遼太郎氏
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 MLBで来季から導入されるABS(Automated Ball-Strike)とは、球場に複数のカメラを設置し、投球のストライク・ボールを判定するものだ。そして「ABSチャレンジ制度」は、通常は球審がストライク・ボールを判定するが、球審のジャッジが間違っていると思った場合には選手(投手・捕手・打者)が“チャレンジ”を要求、球場のビジョンに“テック判定”の結果が表示されるといった内容になっている。

 オールスターゲームも担当した元プロ野球審判員で、現在は“審判系”YouTuberとして活動している坂井遼太郎氏は、「難しいが、プロの審判目線から見ると、いいことではないか。ただ、やるなら韓国のように、全球やった方がいい」と語る。「韓国の友だちに聞くと、導入されて負荷が減ったと」。

 一方で、ABS導入のためには、ルールブックとは異なる“ABS専用のストライクゾーン”を用意する必要があるという。「従来のストライクゾーンでは広すぎて、前だけでもかすれば、ワンバウンドでもストライクになる。そうならないために、今回アメリカでは、ベースの中心付近に平面のストライクゾーンを作り、そこを通過すれば“ストライク”と判定されるように運用する」。

■「審判をいかにうまく騙すことも、競技としては重要」
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