■「審判をいかにうまく騙すことも、競技としては重要」
テレビ朝日の寺川俊平アナウンサーは、「ピッチャーは変化球を投げる。メジャーリーグでは、バッターの目線の端から、球がえぐってストライクゾーンに入ってくる球種もあり、それを審判が後ろから判断している」といった現状から、「どれだけ正確に空間把握できているのか」と疑問を持つ。
そして、「ABSではMRIのようにストライクゾーンを判定する。外から入ってきた変化球は、ABSではボール判定されるが、最終的にど真ん中でキャッチャーが取れば、審判はストライクと判定したくなる。審判をいかにうまく騙すことも、競技としては重要じゃないか」と問いかける。
これに坂井氏が賛同する。「契約社会のアメリカで、審判側がABS導入に前向きだった理由には、金銭面の対価があった。仕事が楽になり、かつ給料が上がれば、断る理由はない」。一方で選手からすると、「センサーありきになると、キャッチング技術が不要になり、捕手の価値が変わる」ため、「選手会は反対していて、折衷案として『全球ではないチャレンジ』で進められている」と解説する。
■竹中平蔵氏「AIにもある種の確率で誤審させたらいい」
