日本米のどこをアピールすべき?
藤崎記者「中国はコメ消費国としては最大だ。一方で、今日本から出すにあたって“壁”が多い。そもそも中国国内での生産量が多く、ブランド米も生まれており、あまり輸入をしていないため、そこに入っていくのはハードルがある。さらに、日本からの輸出の際には検疫条件などで、認可された施設で精米しなければいけないなど手続きを経ると、3カ月ほどかかってしまう。だが、精米して1、2カ月が一番美味しい時期だ。福島第一原発事故に端を発した風評被害が続いていたり、価格面でも差がある」
突破口はどこにあるのか?
藤崎記者「中国に限らず、富裕層向けに力を入れていきたいと考えているところも多い。日本食は人気があり、日本のものを使っていることに価値を見出す層もいる。また、コメを食べる文化がある国は競争が激しいため、あまりコメを食べない文化の国に『おにぎり』などを売り込んでいくという戦略もあるようだ」
日本米のどこをアピールするべきなのか?
藤崎記者「ヘルシー、あるいはモチモチして美味しい食感など、それぞれの楽しみ方を踏まえながら広げられているようだ。ジェトロ(日本貿易振興機構)の取り組みでは、ロンドンでおにぎりのワークショップを開いた際に日本産の食材はもちろん、現地で調達したブルーベリーなどの食材も用いながら、即席で相手に合ったおにぎりを握っていた。あるいは、米の海外輸出にかかわるシェフの一人は海外のシェフに対して『僕はこうやって作った。あなたはどうする?』と投げかけることで相手は『この素材で何ができるか』と目を輝かせるという。『これが正しいやり方だ』と示すのではなく、相手に“余地”を与えるような売り込み方も有効なのではないか。そして価格面でも日本米は高いので、ITを活用した農業や規模化も必要になってくるだろう」
(朝日新聞/ABEMA)
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