「犯人のゲソ(足跡)はこの(部屋の)中はない?」と秋山氏が尋ねると、悟さんは「中は私、拭いたけどない。廊下だけ」と答えた。そして秋山氏は「(犯人は)一気に来ている」と分析した。

「侵入して、そこに土足のまま。入った時には、たぶんすでに刃物を構えていた。出てきた時にいきなり入って、いきなり攻撃にかかった」(秋山氏)

 さらに、悟さんは洗面所を案内してくれた。「ここで手を洗った跡があった。血がこのへんでたらーっと……」。これを見た秋山氏は「そうとう切っている。血だまりからすると、そうとう血が……本人も刃物で切ったんだろうな」と推測した。 

 悟さんは、部屋の入り口付近で「首の動脈か静脈か、刺されたのがこの辺じゃないか」と明かす。「ここでうつ伏せ、顔は右。左のおでこにコブができていた。静脈とか動脈の大きな血管を切られたら血がばっと出るから……すぐに血圧が下がるから、バタンと昏倒したんじゃないか。その時のコブじゃないかと」。

 犯人は自らの手を凶器で負傷したとみられ、その血痕は逃走したとみられる地面に点在していたという。悟さんは何度もこの道を辿って歩いた。そして、手を押さえながら道路を横切る女性をドライバーが目撃していた。血痕を辿ると、自宅からおよそ500メートル離れた公園の水道付近で途切れていたという。この公園の水道で血を洗ったと考えられている。

「だけど、なぜわからないのかが不思議……」(悟さん)

 警察犬の捜索も行われたというが、その後の足取りはわかっていない。防犯カメラも当時この付近にはほとんどなかったという。

奈美子さんは松田聖子の熱烈なファンだった
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