ポイントを重ねるほどに不利となる“サクセスウェイト”。しかし、スーパーGT最終戦ではそのハンデがゼロになる。連覇中の王者・auが、その重りを外した瞬間に見せたのは、まさに“王者の走り”だった。
【映像】レースクイーンも驚いた!スタート直後の“大胆な動き”
シーズン最終戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』決勝を振り返った『笑って学べる!超GTぱーてぃ』では、TGR TEAM au TOM’S(#1 au TOM’S GR Supra)の坪井翔がスタートから魅せた堂々たる走りを特集。100kg超えのサクセスウェイトを外した王者が、勝負どころで風格を見せつけた。
この日、スタートグリッド2番手につけた1号車。オーバーテイクが難しいコースとして知られる「モビリティリゾートもてぎ」において、解説の脇阪寿一氏も「auがリタイアでもしない限り、空気はauに傾いていました」と語るほど、レース前から各チームが1号車を警戒していた。スタート直後は、ポールポジションのTGR TEAM KeePer CERUMO(#38 KeePer CERUMO GR Supra/石浦宏明)に抑えられたものの、攻めの姿勢は崩さない。蛇行する38号車の動きを見極めながら、1号車はその隙を虎視眈々と狙い続けた。
迎えた3〜4コーナー。アウトに膨らんだ38号車の内側へ、1号車が鋭く切り込む。完璧なタイミングでインを差し込み、見事オーバーテイク。レース1周目で堂々トップに浮上した。38号車はこの瞬間、TEAM IMPUL(#12 TRS IMPUL with SDG Z)にも抜かれ、一気に3位へ後退。ガレージでは監督やレースクイーン(現・レースアンバサダー)が「あれ」「え…」と目を見開き、唖然とする場面も映し出された。
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