クマ被害のニュースが相次いでいるこの季節は、クマがエサを摂取しようと活性化する時期。冬眠に備え、1年間に摂取する8割ほどのエネルギーをこの時期に蓄える必要があるというが、今年は気候変動の影響で主食であるどんぐりが凶作になっている。
小池教授は「実は森の中で生きているクマは、こういった不作の年には早く冬眠する。無いものを探すっていうことは彼らはしない。そうやって早く寝てしまうが、集落の中の美味しいものにありついてしまったクマは食べ物がある状態なので、いつまでも出没したりして食べ物に執着してしまう。だからやっぱりそこに執着させない、味を覚えさせないのが一番大事」と指摘する。
「駆除もそうだが、物理的な人間とクマの距離が近すぎる。緩衝帯をどうやって作っていくか、例えば公共事業のような形で森林管理をしていくとか」と、環境づくりが大事だとして「多くの自治体が『自分の県では今年どんぐりの実りはどうですよ』という情報を出している。自分の住んでるところのどんぐりの実りが悪い場合は、普段クマがいないようなところにクマがいるかもしれないし、町の中のちょっとした藪とか木立の中にも『ひょっとしたらクマがいるかもしれない』という心づもりは必要だ」と訴えた。
「新たなクマの姿を知ってもらうのもいい」
