■お墓の必要性とは
お墓の必要性について、コラムニストの河崎環氏は「葬儀や供養は、死者のためではなく、残された人たちのためにある。お墓も『俺をかたどった墓石に手を合わせてくれ』というエゴが強い人もいるだろうが、それ以上に、残された人がグリーフケアしていく場だ。私は『散骨でいい』と言っているが、どこにするかはまだ決めていない。『ここにまいてほしい』と話しておけば、残された人は手を合わせるために旅行できる。その後の楽しみもふくめて、事前に意思を残しておけることはすてきだ」と自身の考えを述べる。
文筆家で情報キュレーターの佐々木俊尚氏は、「記録さえ残っていれば、どうでもいいもの」だとコメント。「日本古来の宗教感覚で言うと、自然に還るのが一番いい。墓石に納めるようになったのは、葬式仏教になり、家制度ができてからだ。家制度が我々の時代で存在しなくなると、古来の慣行に回帰するのは当然の流れだ」とした。
鈴木さんも「お墓参りに来る人は、亡き人と対話する。10〜20分だけでなく、長い人は1時間も家族で話す」と、お墓が持つ“対話の場所”としての重要性に触れる。「墓じまいする人には、それぞれ理由がある。やむなく解体や移動した人にとって、『心のより所』をどこにするかが重要なのではないか」。(『ABEMA Prime』より)
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