当初この事件は「ひき逃げ(道交法違反)」および「自動車運転過失致死罪」で捜査を開始したが、この罪名での公訴時効は10年だった。代里子さんは「逃げる行為がどういうことか。逃げた時点で次の車にひかれるかもしれない。(1台目の人が)助けてくれていたら(息子は)助かっていた事故だった」と憤る。
10年の時効が迫った2019年。埼玉県警は時効が20年の「危険運転致死罪」に罪名を切り替えた。これにより10年後の2029年9月30日まで時効が延長された。時効成立の12日前の判断だった。代里子さんは今、死亡ひき逃げ事件の時効撤廃を訴えている。「結果的に時効が成立したら無罪になる。息子をひいたことも無かったことになる」。
犯罪白書によると、死亡ひき逃げ事件の検挙率はほぼ100%だが、過去33年間に発生した死亡ひき逃げ事件では、未解決のまま公訴時効を迎えたケースが、全国で数百件に上るとみられる。
法務省の担当者からは「時効撤廃は必要なのでしょうか?」
