■市川さん一家が巻き込まれた事件
市川さんは事件当時を「私は勤務先で仕事をしていて、犯人が襲撃した時刻は、ちょうど自宅に帰る時だった。車に乗り込もうとした23時12分に長女から着信があり、助手席で電話に出たら無言だった」と振り返る。
実は犯人は事件前に、自身の元妻と、市川さんの長男が一緒にいるところを見て、その場で殴りかかっていた。この件により、傷害容疑で逮捕状が出たが、その2日後に銃撃事件が起きた。「被害届を出した時、警察から『犯人から示談の相談があったら連絡して』と言われていた。示談に来た犯人とのやりとりを、娘が気を利かせて流した電話かもしれないと思ったが、こんな時間にそんなわけがない。何かあったと危険を感じて、自宅へ向かった」。
そして自宅に着いたが、「犯人が居るのか、仲間と一緒かすらもわからない。自分が襲われるかもしれないと裏に回ると、少し進んだところに、見知らぬ白いセダンが止まっていた。表通りの駐車場から警察に電話して、ちょっと離れたところに車を止め、携帯電話だけを持って玄関から入った」という。
まず目に飛び込んだのは、長女の姿だった。「寝室で倒れている次男を見て、リビングへ行くと、見知らぬ男も倒れていた。しかし妻の姿は見当たらない。119番通報しようとしたところ、近所に助けを求めていた妻から電話があった。いったん切って、119番をかけながら周囲を警戒しつつ歩いていると、とぼとぼ歩く妻と落ち合った」。
その時には「犯人の仲間が潜んでいるかもしれない。見知らぬ男も生きているか死んでいるかわからない。発作を起こしているだけで、起き上がってくるかもしれない」といった不安に包まれていた。
一方で市川さん自身は、冷静さを保っていたといい、「『警察は張り込み捜査をしていたのではなかったのか』と思った。パトカーの1台でも置いていれば、防げたかもしれない事件だった」と語る。
■家族を失ったのちに感じた“二次被害”
