鈴木は、自身が演じる蓉子について「古い規範の代表。柄本明さん演じる会長が父で、その会長から事務所を受け継いでいる。今の50代60代の女性は、古い規範と新しい価値観が生まれている今の狭間にいて、古い規範を守る代表でもあるけれど、頭では新しい転換もわかっているという間に立っている。それはそれで彼女は辛い立場なのだろう」と語る。
実際の芸能界はどうなのか。1984年のデビュー以降、これまでの芸能生活で俳優として感じた「芸能界の秩序」や「暗黙の了解」について鈴木は「主役がいて、2番手、3番手、その他と役割がある中で、主役に負担がかかる分、力や優位が与えられる。理不尽といえば理不尽だけれど、それはそういうもの。民主主義だし、資本主義だし。それはどこまでがオープンにきちんとすべきものなのかは非常に難しい。そして、特に私たちの働いている職場というのは、“人間”が商品で題材なので、それを明らかにしてしまうのは難しい。だからこそ成り立っている良さもあるとは思う」と率直に明かした。
鈴木保奈美が語る芸能界におけるジェンダー観
