■鈴木保奈美が語る芸能界におけるジェンダー観

鈴木保奈美(左)、徳永有美キャスター(右)
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 鈴木は過去に、自身のエッセー集のほか、『朝日新聞』のインタビューでジェンダーに関する言及をしている。発信をしたきっかけについて「特に1つ大きな出来事があったわけではないが、年を重ねて、いろいろな報道の記事を目にするなどの機運が出てきたこと、そして娘が3人いることが大きいかもしれない」と語る。

「10代、20代の頃は、幼稚な人間で何も考えていなかった。デビューして水着でグラビア誌に出るのは当然だったし、そこから入っていくのは当然だった。そのことに対して、性的な目で見られる、屈辱であるといった感覚が全くわかっていなかった。『健康的だね』『かっこいいね』『綺麗だね』と褒められるのは嬉しいし、それは自慢していいことなのではないかとシンプルに思っていて、そこから先の意味合いをわかっていなかった」(鈴木、以下同)

「10代の頃はそうだと思うが、特に80年代、90年代の当時は、先のことを理解する文脈もなかった。現代においては、それが実はどういうことなのかが紐解かれてきている。そこまで考えることは不可欠なこと。今でも美しい人や健康的な肉体は『いいな』と思うし、憧れの対象でもあり、それをすべて排除すべきでは決してないと思うが、その裏に隠された意味を理解することは必要。誤解されがちなことが多いため、大人が若い人を守ってあげることが必要だと思う」

ドラマの撮影現場で女性スタッフが増えてきている
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