そんな斎藤さんは今、最難関といわれる司法試験に挑戦している。大学時代に目にした海外の貧困や、自らの過去から、社会から隠れた人たちに自分にしかできない手助けをしたい。かつてはそれを破る側だった斎藤さんは、法律の世界に進むことに決めた。

 斎藤さんは「私は今になって勉強して、ものすごくいろいろなビジョンや国政など考えさせられたことがよかった。社会の見方が変わった」と語る。

 現在は司法試験に向けて1日15〜17時間勉強している。そのコツは「勉強前に30分間走る」「勉強中は仕事の電話に出ない」「LINEはパソコンから消す」だそうだ。「覚えないといけない時は、お風呂の中で勉強する。地味な努力は本当に大事。(最後は)もう気絶している」。

 12月3日、斎藤さんはある問題の参考人として、国会で発言を求められた。「5年銀行口座が作れない。これは犯罪の罪名によってやっていかないと。すべてを縛ってしまえば、また逃げ所ができてしまう」(衆院法務委員会より)。

 金融機関は、離脱後約5年は組合員とみなし、銀行口座の開設や賃貸契約などができない「元暴5年条項」を設けている。“5年ルール”と呼ばれる制約だ。警察庁や金融庁は、暴力追放運動推進センターの協賛企業への就労などを条件に、給与受取用口座の開設を排除しないよう、協力を求める通知を出した。しかし10年、20年単位で口座を作れない人がいる。

“5年ルール”の壁に阻まれた…元暴力団組員らの証言
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