■起立性調節障害の日常
高校1年生の中山知佳穂さん(16)は、「起立性調節障害」に悩んでいる。朝6時すぎから5分おきに母親が起こしにくるが、反応はないまま。そして9時にようやく目を覚ます。すでに学校の始業時間を過ぎているが、ここからさらに立ち上がるのも難しいという。「横になっている時はちょっと気持ち悪い。起き上がる時に多分、脈が上がって動悸がした」。
母親の声かけは「意識がなく覚えていない」といい、「目が覚めてからも頭痛や吐き気の症状と倦怠感がひどくて、起き上がれない時間が続く」と明かす。学校に行けるのは昼ごろで、日によって症状の程度も違う。「大事な行事の時は交感神経が働いて行けることがあり、『授業やテストは来ていないのに、行事の時は来られるの』と言われた」。
母親の知映さんによると、身体の不調がメンタル面にも影響を及ぼしているそうだ。「活発で意欲的だった小学校の頃と変わり、『どうせやってもできないから、あまりやる気持ちになれない』ということがちょこちょこある」。
ピアノなどの楽器を演奏するのが大好きな知佳穂さんだが、「元気な時じゃないとなかなかずっと弾けなくて、練習もそんなにできない」。肝心の勉強も「数学Aは問題集を解くのもなかなか難しくて諦めてしまった。ほとんど解けなかった」と話す。
■治療法は?
