■「同じ病気の当事者のために、もっと理解を広げていきたい」
起立性調節障害をめぐっては、まだ周囲の理解が足りない現状がある。知佳穂さんは「発症当初は自分でもどうして起きられないのかわからず、周りから『なんで起きられないの』と言われると、自分自身が怠けていると誤解してしまった。『こういう病気なんだ』と、周囲から当事者に言ってもらえるのが一番いい」と提案する。
そして、「私自身もこの病気を受け入れるのには時間がかかった。病院で教えてもらい、体調が悪い自分を受け入れて、学校に行けない間も向き合うしかない。落ち込むことも多いが、時間がたつにつれて、だんだん自分の体調も把握できるようになってきた」と振り返る。
周囲からの助けは「久しぶりに学校に行けたときに“やっほー”とあいさつしてくれる。それだけでも来て良かったと安心できる。体育の授業に出られない時に、『サボっている』ではなく『体調悪いんだよね。無理しないでいいよ』と言ってくれるだけでも明るくなれる」と感謝する。
そんな知佳穂さんは、同じ悩みを分かち合いたいと、「当事者の会」を立ち上げ、ネット上などで交流会を開いている。これからの目標について聞いてみると、「体調が悪い中で、今後の進路が決まらない部分もあるが、同じ病気の当事者のために、もっと理解を広げていきたい思いが一番だ。正しい理解が広まり、苦労せず傷つかない当事者が増えればいいと思っている」と答えた。
(『ABEMA Prime』より)
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