キャリアアップに興味ナシ?調査結果からみえる新たな“問題”
日本生産性本部 生産性研究センターの上席研究員・長田亮氏は、調査結果について次のように話す。
「自己啓発の低下や、もしくは転職の意向というところの減少は、正直少し意外だと感じていた。今後の自身の雇用に不安を感じるかという調査があり、不安感が今までと比べて減っている結果になっている。勤め先の業績に対する不安感が減少していることに伴い、雇用に対する不安感も減っているという形になっている」(長田亮氏、以下同)
雇用に対する不安感の減少。それが「兼業・副業」「自己啓発」「転職への意向」に与えるインパクトに、調査担当者も注目している。
「ここまで影響を受けるのかと、われわれとしても気になっているところだ。ネガティブな意味で転職をしなければいけない人が減っているのであれば良いことだが、転職・副業を考える余裕がないということであれば、それはそれで問題ではある。あるいは自分のスキルアップを考えるときに、自己啓発を含めてさまざまな成長をする機会が、もし時間的にないのであれば、どうにかしていかなければいけないと思っている」
この調査結果の背景について、ニュース番組『わたしとニュース』でハレバレンサーを務める、EVeMの滝川麻衣子氏は日本の労働市場が比較的安定している事から、「なんとか自分磨きをしないと厳しい労働市場を生き残れないといった切迫感が減っている」と指摘する。
その上で、「副業・兼業に対する関心が下がっている」ことは、ほかにも2つの要因が考えられると指摘する。
「1つは、副業のジャンルに関すること。『副業・兼業を行う気はない』と答える人が増え始めた2024年、AIの登場という世の中の大きな変化があった。例えばライティングや翻訳、デザインやコーディングなどは、副業で外出しすることが多いジャンルだった。これはほぼAIでかなり高いレベルで置き換わるようになっている。副業・兼業をする側としても、『AIでできるよね』というのがあるのではないかと思う」「ライティングなどは実際に仕事が減っているというデータもある」(滝川麻衣子氏、以下同)
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