■50回の転職、浴びせられた「クズ」という言葉

境界知能の特徴
拡大する

 番組には、境界知能の当事者であるのぞみさんが出演し、これまで歩んできた過酷な経験を語った。のぞみさんは仕事上の失敗が続き、50回ほどの転職を繰り返してきたという。

 「(大変なことは)人と話すのが苦手だったり、集中できなかったりすること。長い話や、同時に複数、指示されると混乱して失敗し、怖くなって仕事を辞めてしまう。(飲食店で)料理を運んでいる時に話しかけられても我慢したり、質問に対してよくわからない答え方をしてしまって『頭、おかしい』と言われたこともあった」。

 職場では「クズ」「なんで一回で覚えられないの?」といった心無い言葉を浴びせられることもあったという。のぞみさんは、SNSでこの言葉が差別的に使われていることに対し、「(批判は)なくなってほしい。境界知能だから自分はできないとか、そういう思い込みで当事者がどんどん苦しくなっていく」と不安を口にした。

 古荘氏は、こうした失敗体験の積み重ねが「二次的な合併症」を引き起こすと指摘する。周囲の理解が足りないことで本人が達成感を得られず、自信を喪失し、自らを責めてしまう悪循環に陥るのだという。

■「消しゴムの使い方」から始める支援の道
この記事の写真をみる(7枚)