■「母乳に近い」を目指す取り組みとリスク
そもそも母乳と粉ミルクには、どのような違いがあるのか。今西医師は「昔と比べると、粉ミルクも改良されていて、母乳に近い成分になっている。ただ母乳には、赤ちゃんを守る免疫物質や、善玉菌がよく作用するエサも含まれている。生きている菌を届ける意味では、まだ人工乳は母乳にたどり着いていない」と語る。
その歴史については、「明治以前は、母乳が必要な赤ちゃんが多くいても、人工乳がないことによる乳児死亡率が上がっていた。戦後に人工乳が量産されるようになり、乳児死亡率が下がった経緯がある。やはりあくまで母乳が基本で、人工乳は代替品のコンセプトで作られている」とした。
タレントでソフトウェアエンジニアの池澤あやかは、「夫と育児を分担しようとすると、男性は母乳が出ないため、粉ミルクを使わざるを得ない。使うことでのメリットもあり、分担意識を育むことで、育児に貢献しようという意欲が高まる側面もある」と指摘する。
■「メーカーも企業努力をして、栄養素も母乳に近づいている」
